妊婦健診の受診希望施設としては、一般病院、診療所、助産所が多く、大学病院は少数であった。一般病院は医療スタッフ・設備の充実、診療所はアクセスの良さや親しみやすさ、助産所は医療のみならず生活面を含めた相談のしやすさなど、それぞれの長所があるためと思われる。
(座長コメント)
分娩の希望施設としては、一般病院と助産所が多く、大学病院と診療所は少数であった。現状では、一般病院と診療所が全分娩の半数ずつを担当しており、助産所分娩は1%に過ぎない。今回の調査から、妊婦およびその家族は、分娩時には医療スタッフと設備の充実した病院での安全を求めると同時に、助産所のような家庭的で常に助産師が寄り添ってくれるような安心できる環境を求めていると考えられた。
産科施設に求める基準としては、医療スタッフ・設備の充実とアクセスの良さが挙げられた。この両条件を満足させることが、今後の課題となると思われる。
妊婦健診の所要時間として、2~3時間は許容範囲と考えられていた。これは今後、地域の産科医療システムを再構築する時に参考になるものと思われた。
正常産であれば、助産師のみの立会いでよいとの回答が70%と多数を占めた。分娩の多くが正常経過をたどることからすると、全部の分娩に医師が立ち会うことはあまり求められておらず、異常時に医師がすぐ対応できれば良いと考えられている。
妊婦健診と同じ医師に分娩時に立ち会ってほしいという希望が多く、これはオープンシステムであれば可能である。安全・便利なので使いたいという意見も多く、今後は妊娠・分娩時の選択肢の1つとしてこのシステムが普及することが望まれる。
出産・育児一時金は現在35万円であるが、今後は50万円程度が適切と考えられており、公的補助の増額が求められている。
現在の日本では、一般病院と診療所が全分娩の半数ずつを担当しており、助産所分娩は1%にすぎない。それにもかかわらず、今回のアンケートでは、一般病院と助産所での分娩希望が多くを占め、診療所での分娩希望は少数であった。また、正常産であれば助産師のみの立会いで良いと思う人が多かった。これは、分娩時には病院で医療スタッフと施設の充実を求めると同時に、助産所のような家庭的な環境を求めていることが示された。
今後は、病院の医療スタッフ・施設の充実に加えて、病院内での助産師の活用(院内助産システム)、医師と助産師のチーム医療の推進が求められていると考えられた。