
講演資料
新型インフルエンザ対策で重要なのは、「(自ら)感染しない、人にはうつさない」という視点です。この視点は、ほかの感染症でも共通ですが、特に新型インフルエンザではどれだけの国民が、この視点を持てるかが、流行を最小限に食い止めるカギを握っていると思います。
そのためにどうしたら良いのでしょうか。一人一人が他人まかせせずに情報をしっかり入手して、それに基づいて適切に行動することです(スライド24)。その意味でメディアの役割は大きいと考えています。
必要な情報とは何なのでしょうか。整理しますと、①新型インフルエンザとは何か(感染力、致死率など)②政府・自治体が準備する対策(ワクチン、薬など)③個人が感染した(可能性を含む)場合どうするか(病院、発熱外来など)④感染を広げないためにできること(自宅待機、食糧備蓄など)⑤その他――――などが挙げられと思います。
新聞では、これまで①の新型インフルエンザの発生源となる鳥インフルエンザが拡大している実態、②の新型インフルエンザ対策行動計画に基づき、国、都道府県レベルで、抗ウイルス薬、プレパンデミック(大流行前)ワクチンの備蓄がどこまで進んでいるかを報道してきました(スライド17)。自分が「うつらない」ための重要な情報だからです。
今、遅れているのは③、④です。海外渡航から帰国し、感染が疑われた場合、居住地区周辺にあるどの病院にいったらよいのかの情報は策定中のところもあり、徹底していません。発熱外来を設ける病院はまだ少ないのが現状です。④の自宅待機、学校閉鎖、集会中止などは感染を広げないために有効な手段ですが、こうした措置を実行する法的な権限を都道府県知事は有していません。こうした措置は、地域コミュニティーと直結していますが、こうした議論は、食糧備蓄(スライド26)などを含め進んでいません。
最後に「うつさない」ための情報をぜひ入手してください。前記の③、④はそれに関連しますが、メディアとしてもこの視点の報道を心がけたいと思います。救急車をまるでタクシー代わりに利用することが問題となっていますが、無駄な病院診察を控え、「うつさない」ための行動をとる努力も大事になってくると思います。