
日本人の死亡原因第一位はがんですから、がん終末期の医療体制がどうなっているのかは他人事ではありません。このような状況の下、政府はまず施設ホスピスの普及を促すため診療報酬で優遇してきました。その結果、施設ホスピスの数は増えましたが、まだ需要には十分応じきれていないのが実情です。また、病院病床を削減し、代わって在宅療養を推進しようという、いわば「脱病院」政策が実施されています。そのため今後は在宅緩和ケアの必要性が高まっていくことになります。私は医療経済の研究者として診療報酬の改定など医療政策の一端に関与してきました。また妹を緩和ケア病棟で看取った経験もあります。このような立場から、在宅緩和ケアの実行可能性や課題について、実務家や専門家に対する質問を含めて議論を深めたいと思います。

1988年一橋大学大学院博士課程単位取得退学。東海大学政治経済学部助教授を経て、現在、学習院大学経済学部教授。厚生労働省中央社会保険医療協議会会長、医療経済学会理事などを務める。専門分野は、医療経済学。