まず、がん患者さんは、自分の状況を知った上で、「どこで看取ってもらいたいか」「どのような医療を受けたいか」を選ぶことが必要だということをしっかりわかってほしいと思います(スライド2)。
多くの患者さんは、最期を過ごす場所について、「自宅で過ごしたい」のに自宅だと「痛みに耐えられないのでは?」「急変したときどうするか?」「お金がかかるのでは?」という数々の不安のために、在宅を選べないと言います。
実際は、痛みを和らげる緩和ケアも進化し、在宅療養支援診療所や訪問看護サービスなど、在宅ケアをサポートする機関を活用すれば在宅療養も不可能ではありません。高額医療費の還付もありますので、在宅だからといって負担が格段に増えるわけではありません。
それでも在宅ケアを選ばないのは、情報不足もさることながら、在宅ケアをサポートする機関が絶対的に不足しているからです。さらに、急変したときに再入院できる医療機関の連携もうまくいっていないという現実もあります(スライド3.スライド4)
受けたい医療については、数年前には考えられなかったくらい患者さんたちの選択肢が広がっています。それでもなかなか患者さんが自ら治療を選んでいない現実があります。それは、情報が行き渡っていないこと、対応できる医療関係者の育成が追いついていないことにあります。
患者さんには、過ごす場所も受ける医療も、自ら選択してほしいと思います。多くの人が望む在宅ケアも、医療費削減のための在宅ケアではなく、患者さんの望みとしての在宅ケアになっていくべきです。現在、日本緩和医療学会でも、緩和医療を普及に取り組んでサポートをしていく予定です。