
本年3月11日の東日本大震災は2万人を超える死者・行方不明者をもたらし、さらに福島第一原発事故は被災者に放射能被爆という未だ先の見えない不安・恐怖を与えています。日本人は戦後に匹敵する国難に直面しているといえます。大震災・原発事故後の今、我々には日本人として何を考え、何を求めていくべきかを考え、それに向かって実際に行動していくことが求められています。そこで本特別講演・シンポジウムでは、日本の医療界の精神的支柱であられ、100歳を迎えられた日野原重明先生(聖路加国際病院理事長)に特別講演、丹羽真一先生(福島県立医科大学神経精神医学講座教授)に教育講演をお願いしました。100歳を迎えられた先生は「複合大災害後の日本人の心」というテーマでお話ししてくださいます。WHOにおいても健康の定義として、“身体的、精神的、社会的”に加えてスピリチュアリティー(価値観、信念、生きがい等)の重要性が指摘されています。スピリチュアリティーを“こころ”の原点として考えることは我々に生きていく新たな勇気と夢を与えてくれるものと思います。
心のキュア・ケアをコーディネイトされておられる丹羽先生には「被災者の心のキュア・ケアの実態」についてお話していただきます。更に大災害発生後、被害者の心のケア支援活動をなされている方々には、シンポジウム「複合大災害の心のケアを考える」において、各々のご経験に基づく現状と問題点にについて話し合いたいと思います。そして、今心の問題で苦しまれておられる被災者の方々の心のケアの今後のあり方を考えたいと思います。

1967年千葉大学医学部卒業。東京女子医科大学循環器内科学講座主任教授、同大学附属日本心臓血圧研究所所長を経て、現在、東京女子医科大学名誉教授、早稲田大学理工学術院教授。厚生労働省 薬事・食品衛生審議会委員。日本蘇生協議会常任理事。